【6月16日 AFP】トルコのメブリュト・チャブシオール(Mevlut Cavusoglu)外相は15日、スウェーデンとフィンランドの北大西洋条約機構(NATO)加盟問題に絡む疑問点について、「書面による返答」を両国に求めていることを明らかにした。

 チャブシオール氏は記者団に、「疑問点に関しては書面で両国に伝えた」と説明。「われわれは現在、両国からの書面による返答を待っている」と述べた。

 スウェーデンとフィンランドは、ロシアのウクライナ侵攻を受けて数十年に及ぶ軍事的中立の立場を転換。先月、NATO加盟を申請した。

 NATO加盟には全加盟国30か国による全会一致の承認が必要。トルコは両国の加盟に異議を唱え、申請を阻止している。

 トルコ政府は両国について、自国や欧米が「テロ組織」と認定する反政府武装組織「クルド労働者党(PKK)」の活動拠点になっていると非難している。

 トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は15日、自身が党首を務めるイスラム系与党・公正発展党(AKP)の党員に対し「スウェーデンとフィンランドがテロとの戦いに向け具体策を講じない限り、われわれの立場は変わらない」と語った。

 NATOのイエンス・ストルテンベルグ(Jens Stoltenberg)事務総長は13日、訪問先のスウェーデンで、トルコの懸念を「一刻も早く」解消すべく「懸命かつ積極的に」取り組んでいると述べた。

 フィンランドのサンナ・マリン(Sanna Marin)首相は14日、今月末に開催されるNATO首脳会議までにトルコの同意が得られなければ、フィンランドとスウェーデンの加盟申請手続きは長引く可能性があると認める発言をしていた。(c)AFP