【6月16日 AFP】ラ・リーガ(La Liga)は15日、イングランド・プレミアリーグのマンチェスター・シティ(Manchester City)とフランス・リーグ1のパリ・サンジェルマン(Paris Saint-GermainPSG)が「現行のファイナンシャル・フェアプレー(FFP)制度に継続的に違反している」として、欧州サッカー連盟(UEFA)に異議を申し立てたと認めた。

 シティに対する異議を4月に、PSGへの不服を「今週」に申し立てたと明かしたスペインリーグは、国家を後ろ盾とする両クラブへの法的手段を今後も強化していくと強調した。

 ラ・リーガは発表文の中で、「フランスの関連団体と欧州連合(EU)に対してできるだけ早く行政的、司法的措置を講じるために」、フランスとスイスの法律事務所に依頼したと記した。

 さらにスイスでは、欧州クラブ協会(ECA)の代表者で、UEFA執行委員会の一人であるPSGのナセル・アル・ケライフィ(Nasser Al-Khelaifi)会長の「利益相反の可能性」を調査するため、ラ・リーガは「さまざまな異議の選択肢を検討」しているという。

 契約解除金5100万ポンド(約83億円)をドイツ・ブンデスリーガ1部のボルシア・ドルトムント(Borussia Dortmund)に支払い、欧州ビッグクラブとの争奪戦を制してアーリング・ブラウト・ハーランド(Erling Braut Haaland)を獲得したシティだが、給与や代理人費用を含めた取引額は、推定2億5000万ポンド(約406億円)を超える可能性があると報じられている。

 またPSGは、レアルからのオファーを拒否し、3年間の契約延長にサインしたキリアン・エムバペ(Kylian Mbappe)に4000万ユーロ(約56億円)から5000万ユーロ(約70億円)の年俸を支払うことになる。

 仏サッカークラブの財務状況を監視する団体「DNCG」が今月初めに公開した年次報告書によれば、PSGが2020-21シーズンに計上した損失は、前季比80パーセント増となる2億2430万ユーロ(約315億円)だったという。(c)AFP/Tom ALLNUTT