【6月15日 AFP】英国に入国した難民認定申請者をルワンダに送る計画をめぐり、欧州人権裁判所(ECHR)が差し止めを命じたのを受け、英政府は難民を乗せた飛行機の第1便の出発中止を余儀なくされた。これに反発した保守党議員グループは15日、ECHRの創設を規定している欧州人権条約からの離脱を政府に訴えた。

 プリティ・パテル(Priti Patel)内相は、次のフライトの準備を進めると明言。テレーズ・コフィ(Therese Coffey)雇用・年金相も、14日夜のECHR判断について政府は「驚き、失望した」としながらも、次の準備を進める意向を示した。

 ECHRは、英国が離脱した欧州連合(EU)とは関係ないものの、保守党議員は、今回の判断は主権の侵害だと主張している。

 アンドレア・ジェンキンス(Andrea Jenkyns)議員はツイッター(Twitter)に「(欧州人権条約を)離脱し、英国法への介入をやめさせよう」と投稿した。複数の保守党議員が同様の声を上げている。

 トニー・ブレア(Tony Blair)労働党政権下の1998年、英国は欧州人権条約を批准した。人権派弁護士は同条約を頻繁に盾にして、ボリス・ジョンソン(Boris Johnson)首相とパテル氏主導の厳格な不法移民対策を阻んできた。(c)AFP/Jitendra JOSHI