【6月15日 AFP】国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)は14日、ウクライナの子どもがロシアで養子にされるべきではないと警告した。ウクライナでは多数の子どもがロシアに連れ去られているとみられている。

 ユニセフの欧州・中央アジア地域事務所代表アフシャン・カーン(Afshan Khan)氏は会見で、「ロシアを含めた各国に、非常事態のさなかやその直後に養子縁組が行われるべきではないということを繰り返し伝えている」と強調した。

 ウクライナ訪問から戻ったばかりのカーン氏は、そのような状況では子どもは孤児だとは見なせないと指摘。「子どもを移動させる決定は、子どもの利益を最大にすることを考えるべきで、移動は自発的でなければならない。親が説明を十分に受け納得をしたうえで合意していることも求められる」

 さらに「ロシアに連れていかれた子どもたちについては、オンブズパーソンや関係団体と密接に協力し、こうした事例をどのように記録するのが最善かを協議している」とし、現時点ではこのような子どもたちと面会はできていないと付け加えた。

 国連は3月上旬、ウクライナの子どもが強制的に養子縁組させられる危険性について懸念を示していていた。侵攻開始前まで、ウクライナ国内には、東部を中心に施設や寄宿学校で約9万1000人が生活していた。(c)AFP