【6月15日 AFP】来月1日に行われる香港返還25年記念式典を前に、香港の小学校がホテルで1週間隔離生活を送ってくれる児童を探している。習近平(Xi Jinping)国家首席を香港に迎えるため、厳格な「クローズドループ(バブル)」方式を取り入れているのではないかとの臆測が広がっている。

 来月1日は、香港が英国から中国に返還されてから25周年に当たるとともに、新行政長官・李家超(John Lee)氏が就任する日でもある。

 中国の国家主席は1997年の返還以来、行政長官の就任式には必ず出席してきた。だが、習氏は新型コロナウイルスの流行が始まった2020年1月以降、中国本土を離れたことがない。

 就任式まで2週間余りとなった現在も、習氏や政府高官が式典に参加するかどうかは明らかにされていない。

 だが、現地メディアは、要人を新型コロナから守るための特別な措置が講じられることを示唆している。林鄭月娥(キャリー・ラム、Carrie Lam)現行政長官や香港政府高官など式典参加予定の約1000人の隔離も計画されている。

 こうした報道のほとんどは、匿名の情報筋の話だ。だが、ある小学校の校長は実際に隔離要請をしたと認めた。

 親中派の「香港教育工作者聯会(Hong Kong Federation of Education Workers)」が運営する黄楚標学校(Wong Cho Bau School)は保護者に対し、要人を出迎える児童を募集しているとの通知を出した。

 同校の黄錦良(Wong Kam-leung)校長がAFPに見せた通知によると、児童は23日から、家族から離れて教員の監視下で1週間ホテルに隔離される。費用は香港政府が負担する。

 今月30日に空港で要人を出迎え、翌日には見送る予定になっている。「貴重で名誉ある役割」に児童を参加させるよう親に呼び掛けていた。

 隔離期間の授業はビデオ会議サービス「ズーム(Zoom)」で行われる。新型コロナウイルスワクチンを2回接種していることも求められる。

 黄氏は、6年生(通常12歳)が対象だと述べた。だが、現時点で何人希望者がいるかは明かさなかった。(c)AFP/Holmes CHAN