【6月18日 AFP】「江南スタイル(Gangnam Style)」の世界的ヒットから10年。韓国人ラッパーのPSY(サイ、44)は、この成功を「最高のトロフィー」と誇りにしながら、ヒットを連発するプレッシャーから解放された今が一番幸せだと話す。

 2012年7月15日にアップロードされた「江南スタイル」のミュージックビデオは、ユーチューブ(YouTube)初の10億回再生を突破し、「乗馬ダンス」は数多くの物まねやパロディーを生み出した。

 PSY自身も、K-POPアーティストとして初めて世界的な知名度を獲得。米歌手マドンナ(Madonna)と共演し、仏パリのエッフェル塔(Eiffel Tower)の前でフラッシュモブを行い、当時の米国大統領、バラク・オバマ(Barack Obama)氏の前でもパフォーマンスを披露した。

 しかし一方で、「江南スタイル」の成功は新たな大ヒットを生み出さなければならないというプレッシャーにもつながった。

「あのような強力なヒット曲が毎回必要だと思うようになって…どんどんつらくなっていった」。PSYは江南にある事務所でAFPに語った。

「(『江南スタイル』に)とらわれ過ぎて身動きが取れなくなっていた(中略)でも、もう10年も前の話です。今はすっかり解放されました」

「江南スタイル」は、PSYのキャリアを一変させただけでなく、音楽業界にも変革をもたらした。非英語圏のアーティストがインターネットを通じて世界中のファンを獲得できる実例を示したのだ。

 さらに米音楽誌ビルボード(Billboard)のヒットチャートの集計方法に、YouTubeの再生回数やストリーミング回数が加えられるきっかけにもなった。