【6月15日 AFP】世界保健機関(WHO)は23日、世界各国で相次いでいるサル痘への感染について、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言するかどうかを判断する緊急会合を開く。同機関が14日、発表した。

 国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態は、WHOが出す最高レベルの警告。テドロス・アダノム・ゲブレイェスス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長は「サル痘の流行は異常であり、懸念される」と述べた。

 サル痘の発生は、数か月前までアフリカ西部・中部にほぼ限定されていた。だがテドロス氏によると、今年に入りWHOに報告された感染例は39か国で1600件、疑い例も1500件に上り、うち32か国では最近発生した。

 死者は、サル痘が以前から流行していた国では72人が報告されているが、それ以外の国では出ていない。ただ、ブラジルでサル痘に関連した死者が出たという情報を検証中という。

 欧州連合(EU)はこの日、サル痘にも効果があるとされる天然痘ワクチン約11万回分の購入を発表したが、テドロス氏はサル痘対策での集団予防接種は推奨しないと説明。理由として、天然痘ワクチンはサル痘に対して一定の効果が期待できるものの、臨床データが少なく、供給も限られていると指摘した。(c)AFP