【6月14日 CGTN Japanese】中国南西部、四川省(Sichuan)にある謎めいた三星堆(Sanxingdui)遺跡で13日午前、考古発掘の新たな成果が発表されました。三星堆祭祀(さいし)坑の年代が確認され、年代が少し後の五号坑と六号坑を除く祭祀坑の埋蔵年代はほぼ一致しており、中国2番目の王朝である商王朝の末期、今から約3200~3000年前のものであることが分かりました。これにより、三星堆遺跡が所属する古蜀文明は中華文明の重要な一部であることが確認されました。

 中国考古学会の理事長・王巍(Wan Wei)氏によりますと、三星堆遺跡から出土した200余りの標本に対する年代測定によって、商王朝末期のものだと確定されました。当時は中華文明の青銅文明が非常に盛んな時期でした。商王朝は「殷商」とも呼ばれ、「司母戊大方鼎(后母戊鼎)」などの青銅器が盛んに鋳造されましたが、三星堆遺跡の青銅器は従来の商王朝の青銅器とは異なる一面を見せ、古蜀文明の強烈な特徴を持ちながらも、信仰・宇宙観・青銅器の鋳造技術などを含む中原地区の商王朝の文明と密接な関係を保っているということです。

 三星堆遺跡の青銅器には竜の形をしたものが十数種あり、鳥の形をしたものも多くあります。中華民族は「竜の子孫」を自称しています。竜の模様は6000年前の黄河中流域で現れた後、中国の東北地方や長江下流域でも発見されました。三星堆遺跡で発見された竜の模様は、竜への崇拝を物語っています。これらの事実により、三星堆が属する古蜀文明は、多元化した中華文明の中で非常に特色のある一部であることが分かりました。

 三星堆遺跡で新たに発見された六つの祭祀坑での考古発掘作業は2020年末から始まり、2021年6月23日に謎めいた青銅仮面が出土し、今年の春節(旧正月)の恒例番組「春節晩会(春節の夕べ)」で初披露されました。(c)CGTN Japanese/AFPBB News