【6月13日 AFP】男子テニス、ボス・オープン(Boss Open 2022)の主催者が12日、人種差別的な言葉を浴びたというニック・キリオス(Nick Kyrgios、オーストラリア)に謝罪した。

 キリオスはアンディ・マレー(Andy Murray、英国)と対戦した11日のシングルス準決勝で、観客から人種差別的な言葉を浴びせられたと話している。ラケットをたたきつけ、一部の観客と言い争ったキリオスは、第2セット序盤に反スポーツマン的行為により1ポイント、さらには1ゲームのペナルティーを受け、そのまま6-7(5-7)、2-6で敗れた。

 ギリシャにルーツを持ち、過去にも人種差別被害に遭ったことがあるというキリオスは、試合後インスタグラム(Instagram)に「いつになったらこういうことが終わり、人種差別的な暴言へ対処してくれるんだ?」とメッセージを投稿した。

 そして「自分の振る舞いが常にベストではないのは分かっているが『この小さな黒羊』とか『黙ってプレーしろ』とかいった言葉は受け入れられない」と話し、「それで観客に言い返したらペナルティーを食らった。めちゃくちゃだ」と主張していた。

 これを受け、大会主催者はマレー対マッテオ・ベレッティーニ(Matteo Berrettini、イタリア)の決勝戦を前に発表文を出し、「ニック・キリオスと彼のチームに、今回の出来事に対する遺憾の意を表明し、そうした振る舞いはわれわれも許容しないことを請け合う」と述べた。

「今回の件は、責任者が現在調査している」

「シュツットガルト大会は、すべての選手とコーチ、観客、従業員が一体となり、いかなる差別も許さない環境をつくり出すことを目指している」

 キリオスは引き続きドイツに滞在し、今週はハレ(Halle)で開催されるテラ・ウォルトマン・オープン(2022 Terra Wortmann Open)への出場を予定している。(c)AFP