【6月15日 People’s Daily】中国山西省(Shanxi)臨汾市(Linfen)安沢県(Anze)良馬鎮小李村で、村民の申継紅(Shen Jihong)さんはQRコードを読みこみ、基本情報、産業発展、収入明細、支援責任者などの情報を確認している。このQRコードは、「明白カード」とも呼ばれ、民衆の利益に関わる政策を、スキャンするだけで表示できる。

 安沢県では、地方政府が部門間の「情報障壁」を打ち破り、「一碼清」というミニプログラムの利用を促し、1世帯1コードで、民衆が各種情報や政策を確認しやすくなるように努めている。近年、山西省の多くのところでは、「明白カード」を活用し、民衆の生産・生活状況に関する情報を統計・提供し、末端幹部の疑問に答え、迷いを解く政策を実行するための支えとなっている。今、小さな「明白カード」が、農村振興の促進事業で大きな役割を担っている。

「明白カード」のポイントは、政策を明確に説明してくれることだ。政策を徹底的に理解し、表現形式を革新することで、民衆が直感的かつ明確に理解できる形に変えていく。山西省大同市(Datong)陽高県(Yanggao)では、「煤改電(石炭から電気へのシフト)」を推進する過程で、各クリーン暖房設備に政策や補助金の内容を記した「明白カード」が貼付されている。「明白カード」によって、多くの家庭に政策を浸透させるための有効なチャンネルが増え、不適切な政策説明を避けるのにプラスになる。

 現在、中国では農村振興を全面的に推進しているため、より高い精度が求められている。そのため、状況を把握し、内実を探り出し、データを更新していくことが、特に重要になる。「明白カード」は、科学的管理や的確な施策にも焦点を当てている。申さんの「一碼清」の産業状況の項目に、茶葉炒め技能訓練とアグリツーリズム事業の内容が記載されている。これらの基本情報は、次のステップの企画開発のための重要な参考となる。関連部門も民衆の発展状況を把握した後、きめ細かな支援を行うことができる。具体的には、技能を有する農家に対して指導を強化し、彼らが標準化された操作の道に進むよう支援する。就業需要の高い農家に対しては、年齢、性別、特徴などの要因に応じて、特別技能訓練を行う。基盤が弱い民衆に対しては、食糧補給、医療保険などの包括保障を、タイムリーに配置し、動的モニタリングと警報をしっかりと行う必要がある。「明白カード」は情報を載せるものであり、施策の精度、サービスの温度を検証するものであり、ガバナンス能力とレベルの向上を実証するものだ。

 農村振興を進める実践の中で、産業はうまくいっているか、民衆の所得は上がっているか、居住環境はどうか、これらの問題に対し、追跡分析、動的フィードバックが必要だ。ある末端の幹部は、「データをうまく使えば、効果は数値化され、幹部に自信を付けられ、今後も『一村一コード』など、より多くの数値化方式が検討されるだろう」と述べた。「明白カード」を通じて、ビッグデータを活用し、幹部は民衆を理解し、民衆は政策を把握し、良好なやりとりがますます増えるだろう。今後も、地域の実情に合ったデジタルガバナンス方式を引き続き模索し、公共サービスの質と公共政策の効能の向上に努め、農村振興により良く貢献し、民衆の富への道はますます広がるだろう。(c)People’s Daily/AFPBB News