【6月14日 People’s Daily】「私は今、次の冬季五輪に向けた準備をしています。世界の舞台で国の栄光を勝ち取ることが私の夢です!」。中国チベット自治区(Tibet Autonomous Region)チャムド市の農村で生まれた18歳のヨンチン・ラム(擁青拉姆)選手は、ワールドカップ(W杯)女子スノーボードスロープスタイルで中国勢として最高の成績を挙げ、冬季五輪出場資格を手に入れた最初のチベット族選手だ。

 チベット自治区は2018年、地元のスポーツ・登山団体からウインタースポーツの選手を選抜して育成を始めた。サッカーをしていたヨンチン・ラム選手もその一人。彼女はスノーボードスロープスタイルという競技を知らなかったが、たちまち夢中になり、数々の大会に参加した。

 チベット自治区体育局のニマ・ツェリン(尼瑪次仁)局長は「チベット高原出身の選手は心肺機能が高く、持久力が強いという利点がある。スキー登山やクロスカントリースキーなどで10人以上の選手が代表チームに選ばれている」と説明する。

 チベット自治区では国際的登山大会や高地マラソン、自転車極限レースなどが行われるようになり、スポーツやレジャーを通じて地域の活性化にもつながっている。2020年末時点でチベット自治区にはスポーツ施設が8300か所あり、99万7000人が定期的に運動に参加。地域の人口の約30%を占めている。第13次5か年計画(2016~2020年)の期間中、国内外の大会で計231個のメダルを獲得。このうち国際大会で金メダル2個、銀メダル3個、銅メダル4個を手に入れている。現在、336人の若いアスリートが地元政府の支援を受けてトレーニングに励んでいる。

 ニマ局長は「選手たちは農村や牧畜の集落出身だが、その暮らしは両親や祖父母の若い時と大きく異なっている。国の強力な支援によりチベットのスポーツレベルは向上している。新しい才能が次々と世界に羽ばたいていく」と話している。(c)People’s Daily/AFPBB News