【6月12日 AFP】サッカーの規則作成を行う国際サッカー評議会(IFAB)が、半自動でオフサイドを検出するシステムを今年のW杯カタール大会(2022 World Cup)で導入する可能性について、13日に同国ドーハで議論することになった。

 この光学追跡システムは、今年2月にアラブ首長国連邦(UAE)のアブダビで開催されたクラブW杯(2021 FIFA Club World Cup)、そして昨年12月にカタールで開催されたアラブカップ(Arab Cup 2021)で試験導入されている。

 IFAB自体にこのテクノロジーをW杯で使用するか否かの決定権はないものの、承認されれば、国際サッカー連盟(FIFA)はその導入を進めることができる。

 FIFAはAFPに対し「半自動オフサイドシステムはまだ、最終的な決定までに精査される必要がある」とし、あくまで「ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)をサポートする追加ツール」であると付け加えた。

 FIFAの審判委員会会長を務めるピエルルイジ・コッリーナ(Pierluigi Collina)氏は今年2月、2018年ロシア大会(2018 World Cup)で初めてW杯に導入されたVARは「大成功」を収めているとしたが、半自動でオフサイドを判定するためには、より正確さや速度が求められると見解を述べていた。

 コッリーナ氏はこのシステムが試験導入されたクラブW杯大会期間中に、「ビデオ判定では正確な決定を下すことが重要だが、特にオフサイドでは時間を短縮することが必要だという認識を持っている」とコメントした。

「半自動」というワードが使われている理由についてFIFAは、オフサイドを監視するための専用VARが設置されるものの、最終的な決定を下すのが審判であることは変わらないためだと説明している。

 コッリーナ氏は「誰かがこれを『ロボット・オフサイド』と呼んだことは知っているが、それは違う。この技術は、人間が使用するツールにすぎない」と強調した。(c)AFP