【6月12日 AFP】欧州連合(EU)欧州委員会(European Commission)のウルズラ・フォンデアライエン(Ursula von der Leyen)委員長は11日、ウクライナの首都キーウを訪問し、同国のEU加盟申請について来週中に意見書をまとめる方針を表明した。

 フォンデアライエン氏は、ウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領との会談で「来週末までに意見書をまとめることができる」と述べた。EUが具体的な期日を示すのは初めて。

 ゼレンスキー氏は、EU加盟をウクライナの地政学的リスクを軽減する方法とみており、早期の加盟承認を強く求めている。

 一部の加盟国は慎重な姿勢を示しているものの、23、24両日に開かれるEU首脳会議で、厳しい条件を付け、ウクライナの加盟候補国が認定される見通し。

 だが、EU加盟国の政府関係者や首脳は、加盟候補国に認定されたとしても、加盟実現には数年から数十年かかる可能性があると警告している。

 フォンデアライエン氏がキーウを訪問するのは、ロシアによる侵攻開始以来2回目となる。同氏はゼレンスキー氏との共同記者会見で、具体的な約束はせず、ウクライナ側のさらなる改革が必要だと述べた。

 ゼレンスキー氏は、ウクライナとEUにとって「決断の時」だと指摘。「ロシアは欧州の結束を破壊し、欧州を分断することで弱体化させようとしている。欧州全体がロシアの標的になっている。ウクライナは攻撃の第一段階にすぎない」と訴えた。(c)AFP/Benoit FINCK with Blaise GAUQUELIN in Mykolaiv