【6月10日 AFP】東京五輪の陸上女子走り高跳びで金メダルを獲得したロシアのマリア・ラシツケネ(Mariya Lasitskene)は9日、同国の選手を国際大会から除外するよう勧告したことが「新たな戦争」を生み出しているとして、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ(Thomas Bach)会長を批判した。

 IOCは2月、ロシアがウクライナへ侵攻したことを受け、ロシアとベラルーシの選手の除外を勧告し、ほとんどの競技連盟が従っている。

 世界陸上(World Athletics Championships)でも3度の優勝を誇るラシツケネは、英語とロシア語の公開書簡をインスタグラム(Instagram)に投稿し、バッハ会長に対して「あなたは私たちの安全のためにこの決断をしたと言うけれど、それは真実ではない。世界でプレーしているロシアのテニス選手がそれを証明している。ファンが選手を愛する理由は、国籍ではなくプレーそのものだ」と訴えた。

 さらに「あなたの決断は戦争を止められず、逆に競技の内外で新たな戦争を生み出し、歯止めが利かなくなっている」と主張し、「あなたにはロシア人アスリートへの制裁を終わらせる勇気や威厳がないのではないか」とつづった。(c)AFP