【6月9日 Xinhua News】中国最大の砂漠、タクラマカン砂漠に建設された初の自動車道路、タリム砂漠道路のゼロカーボンモデルプロジェクトがこのほど、正式に稼働した。沿道の防護林に水を引くためのくみ上げポンプの動力をディーゼル発電から太陽光発電に切り替え、二酸化炭素(CO2)排出量ゼロの道路を実現した。

 タリム砂漠道路は1995年に開通、全長522キロ。タクラマカン砂漠を南北に縦断し、新疆ウイグル自治区のウルムチ市からホータン(和田)地区までの距離を500キロ短縮した。

 流砂による道路の浸食を防ぐため、中国石油大手、中国石油天然気(ペトロチャイナ)傘下の中国石油塔里木(タリム)油田が2005年に汽水点滴かんがい技術を利用して道路の両側に436キロにわたる生態防護林を植え、沿道109カ所にポンプ小屋を建てて砂漠の地下水をくみ上げ、防護林に水を引いている。

 今年1月から、タリム油田はタリム砂漠道路のゼロカーボンモデルプロジェクト建設を本格化させ、ディーゼル発電を使用していた沿道86カ所のポンプ小屋を太陽光発電に改造した。今回の改造では、井戸の深さに応じて3種類の出力を持つ太陽光発電設備を設計し、太陽光発電・蓄電方式を採用。太陽光が当たらないときでもポンプ装置の正常な動作を確保するため、付帯設備の蓄電池キャビネットは7時間分の電気を蓄えることができる。(c)Xinhua News/AFPBB News