【6月9日 AFP】米南部テキサス州の小学校で先月起きた銃乱射事件で、殺された友人の血を体に塗り死んだふりをして生き延びた11歳の女子児童が8日、議会の公聴会で証言し、クラスメート19人と教師2人が射殺された恐ろしい経験について語った。

 証言したのは、事件が起きた同州ユバルディ(Uvalde)のロブ小学校(Robb Elementary School)の4年生、ミア・セリヨ(Miah Cerrillo)さん。証言は、事前録画した動画を流す形で行われた。

 セリヨさんは、クラスで映画を見ていた際に銃撃犯が教室に乱入し、児童は教師の机やかばんの後ろに隠れた、と振り返った。銃撃犯は「おやすみ」と言って女性教師の頭部を撃つと、クラスメートやホワイトボードを銃撃。「かばんのところに行ったら、隣にいた友達が撃たれた。彼(銃撃犯)が教室に戻ってくると思ったから、少し血を手にとって体中に塗った」

 物音をたてずに過ごした後、機を見計らって、死んだ教師の携帯電話をつかんで警察に通報し、助けを求めた。この時、教室の外には十数人の警官がいたが、死傷した子どもたちがいたにもかかわらず何もせず待機していたことが明らかになり、地元警察は厳しい批判を浴びている。

 セリヨさんは、事件を受けて何を期待するかとの質問には、「安全になること」と回答。「もう二度と起きてほしくない」と語り、自分の学校でまた銃乱射事件が起きるのではないかとの不安を示した。

 父親のミゲル(Miguel Cerrillo)さんは米紙USAトゥデー(USA Today)に対し、娘は事件後、悪夢にうなされるようになり、背中に受けた銃弾の破片による傷もまだ癒えていないと説明。公聴会での証言では、「娘は、私がかつて一緒に遊んでいた少女ではなくなってしまった」と話した。

 映像は事前録画した動画を通じ証言するセリヨさん。8日提供。(c)AFP