【6月9日 AFP】ロシアのセルゲイ・ラブロフ(Sergei Lavrov)外相が8日、訪問中のトルコで開いた記者会見で、突然立ち上がったウクライナ人記者から厳しい質問を浴びせられる場面があった。

 ラブロフ氏は、トルコのメブリュト・チャブシオール(Mevlut Cavusoglu)外相と会談し、ロシアによる海上封鎖のために行き場を失っている小麦などのウクライナ産穀類の輸出に向けた安全回廊の設置について議論。会談後に共同記者会見を開いた。

 トルコ・イスタンブール駐在のウクライナ公共テレビ局記者ムスリム・ウメロフ(Muslim Umerov)さんは会見で何度も質問しようと試みたが、機会が与えられなかった。そこで終了間際に立ち上がり、「私はウクライナの公共テレビ局の者だ。絶対に質問したい」とラブロフ氏に直訴。「穀物以外に、ウクライナから何を盗み、誰に売ったのか?」と質問した。

 それまでの会見では慎重なやりとりをしていたラブロフ氏は当初、当惑した様子を見せたが、返答時には微笑んで「あなた方ウクライナ人は自分が何を盗めるかをいつも気にしていて、他の皆も同じ考えだと思い込んでいる」と応戦。「われわれの目標は明らかで、ネオナチ(Neo-Nazi)政権の圧政から人々を救いたいのだ」などと言明した。

 会見後、AFPの取材に応じたウメロフさんは、質疑応答の間ずっと挙手していたが指名されず、進行担当者が自分に質問の機会を与えるつもりがないことに気付いたため、行動に出たと説明。「ウクライナ全土がこの質問への答えを期待しているため、会見の場を乱すリスクを取った」と述べた。(c)AFP