【6月8日 AFP】ロシアのセルゲイ・ラブロフ(Sergei Lavrov)外相は8日、ロシア政府はウクライナ貨物船の航行の安全を確保する用意があると表明した。ウクライナの港では大量の穀類が輸出できず、世界的な食糧難が懸念されている。

 7日にトルコ・アンカラ入りしたラブロフ氏は、8日のメブリュト・チャブシオール(Mevlut Cavusoglu)外相と会談後の共同会見で「われわれはウクライナの港を出る船の安全を確保する用意がある」と述べた上で、トルコ側と協力する考えを示した。

 
 会談では主に、ロシアの海上封鎖のために行き場を失っているウクライナ産小麦など穀類を輸出するための安全回廊の設置について話し合われた。

 チャブシオール氏は、世界への穀物供給を改善させる代わりに、対ロ制裁を撤廃せよというロシアの要求は「正当」だと擁護した。

 同氏は、ロシアの金融システムに制裁が科せられ、ロシア産の穀物と肥料の輸出が阻害されていることを念頭に、「ウクライナ産の穀類を国際市場に流通させる必要があるなら、ロシアの輸出を阻んでいる障害を除去せよというのは正当な要求だ」と述べた。

 黒海(Black Sea)では機雷が敷設されており、トルコ沿岸部でも確認されているが、トルコは国連(UN)の要請に応え、ウクライナの港を出る船団の護衛を申し出ている。

 ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は6日、「現在約2000万〜2500万トンが輸出できていない。秋にはこれが7000万〜7500万トンになるだろう」と話した。(c)AFP​​