【6月7日 AFP】サッカー元フランス代表のジネディーヌ・ジダン(Zinedine Zidane)氏が2006年のW杯ドイツ大会(2006 World Cup)決勝で頭突きした様子を再現した銅像が、今年のW杯カタール大会(2022 World Cup)に向けて展示されることになったと、カタール当局が6日に発表した。

 ジダン氏がイタリア代表のマルコ・マテラッツィ(Marco Materazzi)氏に頭突きをしたシーンの銅像は、2013年にカタール・ドーハ(Doha)の海岸に設置されたが、偶像崇拝を禁じるイスラムの教義に反するとして抗議の声が上がり、4週間足らずで撤去された。

 カタール・ミュージアムズ・オーソリティー(Qatar Museums AuthorityQMA)のトップを務めるマヤサ・ビント・ハマド・ビン・ハリファ・サーニ(Al-Mayassa bint Hamad bin Khalifa al-Thani)王女は、この銅像が、ハイレベルなスポーツが「メンタルヘルスとストレスへの対処」に与える影響に関連した展示の中心になる予定だと述べた。

 マヤサ王女は「パブリックアートに何ら反するものではなく、当時は場所がふさわしくなかっただけであり、再度設置する予定である」と語った。

「実際に、3-2-1カタールオリンピック・アンド・スポーツ博物館(3-2-1 Qatar Olympic and Sports Museum)に設置する計画を立てている。ジダン氏はカタールの素晴らしい友人であり、アラブ世界にとって最高の模範」

 博物館の関係者によると、銅像の設置は11月21日のW杯開幕に合わせたいとしている。

 アルジェリア生まれのフランス人芸術家、アデル・アブデセメド(Adel Abdessemed)氏が制作した高さ約5メートルの銅像は、当時カタールの一部保守派から激しい怒りを買ったほか、ソーシャルメディア上でも宗教上の教義に甚だしく反するものだとして多くの抗議の声が上がった。(c)AFP