【6月6日 AFP】ロシアによるウクライナ侵攻では、攻撃ヘリコプターが数多く撃墜されたことから、その終わりが示唆されているとの見方が浮上している。軍事専門家の間では、ヘリの能力そのものの問題なのか、ロシア軍による運用の不手際なのかをめぐり、論争が繰り広げられている。

 ウクライナ軍には、兵士による持ち運びが可能な長・短距離の防衛用の対空ミサイルが西側諸国から多数供与され、同国領空は敵のヘリにとって危険極まりない状況になっている。

 ロシア軍のヘリが撃墜される映像がソーシャルメディア上に多数投稿されており、被害の大きさを物語っている。軍事情報サイト「Oryx」によると、ロシア軍による2月24日の侵攻開始以降、ロシア軍は少なくとも42機のヘリを、ウクライナ側も7機をそれぞれ失った。

 攻撃ヘリは、防御のために装甲が施されているほか、ミサイルや機関砲などで武装しており、戦場に展開する部隊や戦車を支援するよう設計されている。ところが、ウクライナ紛争では、脆弱(ぜいじゃく)性が露呈した。

 攻撃機としてのヘリの将来に疑問を呈するのは、航空宇宙・防衛アナリストのサシュ・トゥサ(Sash Tusa)氏だ。

 トゥサ氏は米航空専門誌「アビエーション・ウィーク(Aviation Week)」の論考で、「戦争の早い段階から双方の防空システムがヘリの作戦展開に対して明確な抑止効果を発揮した」とし、「戦力が似通った主体間の高強度紛争(本格的な武力攻撃を伴う交戦)の厳しい現実を突き付けられた形となり、西側諸国の攻撃型航空戦力に対する今後の投資にマイナスの影響を与えるだろう」との見方を示した。