【6月9日 People’s Daily】都市において、古い建築は町の歴史や文化的記憶を留めるものである。その保護と町の発展を両立し、町の歴史を後世に伝えるべく、中国の多くの町で絶えず模索されている。住宅都市農村建設省が公布したデータによれば、去年末までに中国全国で画定された歴史文化地区は1200か所におよび、指定された歴史的建造物は約5万7500か所であった。2016年と比較して、歴史文化地区はほぼ倍増し、歴史的建造物は5倍近くに増えた。

 北京の中心市街地を南北に縦断する全長5.2キロメートルの崇雍大街は、雍和宮大街や東四南北大街などの多くの道からなり、7つの歴史文化地区を貫く。北から南へと歩けば、昔ながらの建物から現代建築へのグラデーションを楽しめる。

 2、3年前には、店々が道を塞いで営業する声がやかましく、建物は勝手に建て増され、それに対する市政は連携が取れていなかった。「今は道も広くさっぱりとし、古い建物は修繕されて、子どもの頃に見た町の面影が戻ってきました」と、付近の住民は語る。

 その裏側には、中国都市計画設計研究院の設計士の徐萌(Xu Meng)さんとその数十人の同僚の長い準備と努力がある。

「歴史文化遺産を保護・継承するためには、正確性や完全性を尊重し、歴史的風貌の命脈を保つことが必要です」。方針を明確にしてから、徐萌さんたちは広く歴史資料を探し求め、さまざまな要素が併存することや、北ほど古く南に行くほど新しいといった大街の特徴に気がついた。しかし長年にわたる町の発展の中で、もともとの町並みは看板や広告、違法な建て増しなどで遮られてしまっていた。

 プロジェクトチームはまず、建築に後からつけられた余分な外装を取り除き、景観の多様性を取り戻した。分電盤などは裏側に移動させたりレンガで隠したりして、景観に響かないよう処理された。

 それから、チームは伝統的な修築を採用し、古い建物には昔ながらのやり方で修繕を加えた。2年間で、回収・再利用された古いレンガは55万個、古い瓦は13万枚にのぼり、古い建材の回収・再利用率は80%を超える。

 また、歴史的な景観を尊重する以上、町並みの修復を画一的に処理することはできなかった。チームは地元の住民や業者に戸や窓の様式を48種類提示して選んでもらい、個性を確保するように努めた。

「プロジェクトチームは専門の書家に頼んで看板のデザインをしてくれました。たくさんのお客さんが、前よりきれいで特色あるお店になったね、と言ってくれます」と、地元で30年以上飲食店を営む葉景鋭(Ye Jingrui)さんは語る。

「実際、住民は地元の文化に対する誇りと責任感がとても強いのです。地域の問題を解決することは画一的に整えることではなく、平等にコミュニケーションを取って、より多くの選択肢を提示することであって、それが住民の歴史文化保護への主体的・積極的な参加を誘発するのです」と、徐萌さんは言う。(c)People’s Daily/AFPBB News