【6月8日 People’s Daily】「見てください! 伝統に創意工夫を合わせた磁器のお皿を。色合いは豊かで、描いた花は生き生きとしています」。中国江西省(Jiangxi)景徳鎮(Jingdezhen)で、窯元の周馨(Zhou Xin)さんがSNS「抖音(Douyin)」を通じてライブ販売をしている。

 周馨さんが拠点とする景徳鎮の陶渓川文化創造エリアは、屋根がのこぎりの刃のような形をしたレトロな建物が並ぶ。2016年、廃れていた工場群を改修し、おしゃれな空間に生まれ変わった。

 景徳鎮陶邑文化公司の責任者・馮俊(Feng Jun)さんは「観光客やオンライン販売により、昨年の売上高は6億元(約117億円)を超えました」と喜びの声を上げる。

 古い産業遺産を新しい文化資源に変える取り組みは全国で広がっている。北京市の首鋼製鉄所跡地は北京冬季五輪でフリースタイルスキーやスノーボードの競技会場となり、ウインタースポーツの新たな拠点に変身した。青島ビール(Tsingtao Brewery)は100年前の工場に博物館を設け、「映える」スポットとして観光客をひきつけている。上海市の旧倉庫は人気美術館に生まれ変わった。

 清華大学(Tsinghua University)建築学部の劉伯英(Liu Boying)准教授は「古い工場や設備は本来の役目を終えた後も、『生きている』産業遺産である」と指摘。モノを作る施設から文化・観光施設として新たなビジネスチャンスや文化活動の拠点となっている。

 工業情報化省は2017年以降、5回にわたり194の施設を国家産業遺産に指定。観光施設、美術館、広場、教育基地、映画・テレビ撮影所などに活用され、都市の再生や地域の経済発展を促進している。

 同省の担当者は「国内にはまだ1000近い産業遺産が残っていると推計されており、保護と活用はまだ始まったばかりです」と説明。今後さらに、行政部門や地域住民が産業遺産を創造的に変革することが求められている。(c)People’s Daily/AFPBB News