【6月5日 AFP】中国で1989年に平和的な民主化運動が武力弾圧された天安門(Tiananmen)事件から33年を迎えた4日、香港では公の場での追悼行為が全面的に禁止される中、6人が警察に逮捕された。

 夜には、当局の事前警告に反して複数の外国公館の窓や街角にろうそくがともされた。

 天安門事件に関する議論は、中国本土ではタブー視されている。自治権を有し、大規模な追悼集会の開催が唯一容認されていた香港でも、2年前に国家安全維持法(国安法)が施行され、取り締まりの対象となった。

 香港当局は、4日に「無許可の集会」に参加した者には最高で禁錮5年の刑を科すと警告。これまで追悼集会の会場となってきたビクトリア公園(Victoria Park)を3日深夜から封鎖した。

 公園周辺や近くの繁華街・銅鑼湾(Causeway Bay)一帯には厳重な警備が敷かれ、花を手にした人や黒い服を着た人、おもちゃの戦車を持っていた人が警官に呼び止められて身体検査を受けた。

 警察は、19~80歳の男性5人と女性1人を公務執行妨害や無許可の集会への勧誘、武器所持などの容疑で逮捕したと発表した。

 首都北京でも、警官を増員して厳戒態勢が敷かれた。天安門広場に通じる道には顔認識装置が設置され、身分証の確認が行われた。(c)AFP/Holmes Chan and Su Xinqi with AFP Bureaus