【6月5日 AFP】ウクライナ東部ルガンスク(Lugansk)州のセルヒー・ハイダイ(Sergiy Gaiday)知事は4日、ロシア軍が同州の要衝セベロドネツク(Severodonetsk)の制圧を目指して「全戦力を投入」しているとの見方を示した。ウクライナ軍も撃退を試みているとし、攻防戦は一段と激化している。

 ルガンスク州のほか、隣接するドネツク(Donetsk)州、南部ミコライウ(Mykolaiv)市では、民間人少なくとも計11人が死亡した。

 ハイダイ知事はオンラインで公開されたインタビューで「われわれの理解では、ロシア軍はこの方面(セベロドネツク)に予備隊を含む全戦力を投入している」と指摘。大半の地域がロシア軍に掌握されたが、ウクライナ軍は押し戻していると語った。

 ウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は4日夜の演説で、「セベロドネツクの状況は依然、極めて厳しい。市街戦が続いている」として、東部ドンバス(Donbass)地方の他の都市も同じ状況にあると述べた。

 ゼレンスキー氏は「空爆や砲撃、ロケット弾による攻撃が途切れることなく続いている。けさの時点でロシア側から撃ち込まれたミサイルは累計2503発となった」と語った。

 一方、ウクライナ当局はこの日、ドネツク州のスビャトゴルスク大修道院(Sviatogirsk Lavra)で火災が発生したとし、ロシア側の攻撃によるものだと非難した。

 大修道院はウクライナ正教会に属しており、木造の建造物が被害を受けた。

 ロシア国防省は、同国軍は大修道院がある地域で活動していないとし、「ウクライナの愛国主義者」が放火したものだと主張している。(c)AFP/Blaise GAUQUELIN, with Quentin TYBERGHIEN in the Donbas