【6月3日 AFP】ベトナムの首都ハノイで先週、クマの胆汁を詰めた瓶350本を車で運んでいた男が逮捕された。野生動物保護団体が3日、発表した。男は、クマの飼育場が集まるフックトー(Phuc Tho)県郊外から来たという。

 野生動物保護団体「エジュケーション・フォー・ネーチャー・ベトナム(ENV)」によると、国内で押収されたクマの胆汁の量としては過去最大規模で、クマの飼い主がハノイで逮捕され、胆汁の違法輸送・取引で捜査を受けるのは初めて。

 逮捕された男はクマ7頭を飼育していた。クマの胆汁の輸送先は分かっていない。

 ベトナムは野生動物の不法取引の主要拠点となっている。同国や中国では、クマの胆汁が傷やがんの治療や長寿に効果があると考えられ、伝統薬とされている。

 ベトナムでは2005年、クマの胆汁の採取が違法化されたが、飼育場にすでにいるクマについては飼育が認められた。

 クマの胆汁採取で有罪となれば、5年以下の禁錮刑が科される可能性がある。

 ENVによると、ハノイでは全国の半数に相当する150頭近くのクマが飼育されている。(c)AFP