【6月3日 AFP】米俳優ジョニー・デップ(Johnny Depp)さんが元妻の米女優アンバー・ハード(Amber Heard)さんを名誉毀損(きそん)で訴え勝訴した裁判で、ハードさんの代理人弁護士は2日、陪審から命じられた1035万ドル(約13億4000万円)の賠償金支払いは不可能だと語った。

 長期間にわたり続き、テレビ中継された法廷闘争は1日に幕を閉じた。男性5人と女性2人からなる陪審は、デップさんのドメスティックバイオレンス(DV)疑惑をめぐり両者が互いの名誉を毀損したと認定したものの、デップさん側の主張を強く支持する評決を下した。

 ハードさんは、1000万ドル(約13億円)の補償的損害賠償と500万ドル(約6億5000万円)の懲罰的損害賠償の支払いを命じられた。だが裁判が開かれたバージニア州の法律では、懲罰的損害賠償の上限は35万ドル(約4500万円)とされているため、実際の賠償額は1035万ドルとなる。

 一方、デップさんが支払いを命じられた額は200万ドル(約2億6000万円)にとどまった。

 ハードさんの代理人弁護士は、米NBCテレビの番組「トゥデー(Today)」で、ハードさんが賠償金を支払えるのかと問われ、「絶対に支払えない」と返答。ハードさんは評決を不服として控訴する意向だとした。

 デップさんは2020年、自身を「ワイフビーター(妻虐待者)」と呼んだ英大衆紙サン(Sun)を相手取り起こした名誉毀損裁判で敗訴していた。今回の評決について、自身の勝利と受け止め歓迎。一方のハードさんは「悲嘆に暮れている」とコメントしている。(c)AFP