【6月1日 AFP】シンガポールで5月31日、マレーシアの鶏肉輸出停止を前に、値上げが懸念されており、名物「チキンライス」の店に長蛇の列ができた。

 マレーシアは国内供給の確保とインフレ抑制のため、1日から1か月当たり360万羽分の鶏肉の輸出を停止した。

 シンガポールは、国内向け鶏肉の約3分の1を輸入するなど、食料の大部分をマレーシアに依存している。

 フードコートや屋台を集めたホーカーズで提供されている人気料理、チキンライスの価格上昇が特に懸念されている。

 有名店の一つ、天天海南鶏飯(Tian Tian Hainanese Chicken Rice)の創業者フー・クイ・リアン(Foo Kui Lian)氏は、価格は「間違いなく上昇する」と指摘。「もし(供給側が)大幅に値上げしたら、われわれも少し上げざるを得ない。そうしなければ生き残れない」と訴えた。

 マレーシアの輸出停止を翌日に控えた5月31日、天天海南鶏飯には値上げ前にチキンライスを食べようとする客が長い列をつくった。

 一部店舗では値上げが始まっている。当局は鶏肉の供給が滞る可能性があると警告している。

 食品当局は消費者に対し、必要な分だけを購入し、冷蔵の鶏肉ではなく冷凍か別の肉に切り替えるよう助言している。

 マレーシア産の鶏の大半は生きたままシンガポールに輸入され、国内で加工された後、冷蔵される。冷凍の鶏肉はブラジルなどマレーシア以外からの輸入が多い。(c)AFP/Catherine Lai