【6月4日 AFP】ポーランドの首都ワルシャワに、米アップル(Apple)の製品やゆかりの品々を集めた「アップルミュージアム(Apple Muzeum)」がオープンした。展示されている1600点は、一人の熱心な収集家が何年もかけてコレクションしたものだ。

 アップル全史を網羅する品々を集めた建築家のヤツェク・ルピナ(Jacek Lupina)さん(56)は「世界で最大かつ完全なアップルコレクションです」と自慢する。

 ミュージアムは、ワルシャワ中心部の複合商業施設「ファブリカ・ノルブリナ(Fabryka Norblina)」の中にある。ここは、19世紀初めに建てられた赤レンガ工場建物だ。

 入り口に展示されているのは、1976年に発売された「アップルワン(Apple 1)」のレプリカ。アップルの共同創業者スティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)氏とスティーブ・ウォズニアック(Steve Wozniak)氏が手掛けた最初の一台だ。

 ルピナさんは「(展示の)狙いは、来館者に(アップルの)始まりがどうだったのかを知ってもらうことです。どれほど素朴で、どれほど簡素だったかを。アップルワンの筐(きょう)体は木でできていました! 今とは似ても似つかないです」と話す。

 展示品は「アップルツー(Apple II)」の他、「リサ(Lisa)」「アイマック(iMac)」「パワーマック(Power Mac)」「マックブック(Macbook)」「マックプロ(Mac Pro)」「アイフォーン(iPhone)」「アイポッド(iPod)」「アイパッド(iPad)」、さらに取扱説明書やソフトウエアまで、アップルの世界のあらゆるものが含まれている。

 壁にはオリジナルの宣伝用ポスターが飾られている。中にはアップルの有名なキャッチコピー「シンク・ディファレント(Think Different、発想を変えるの意)」が初めて登場した1997年の広告キャンペーンで、米歌手ボブ・ディラン(Bob Dylan)やスペイン美術の巨匠パブロ・ピカソ(Pablo Picasso)、米物理学者アルバート・アインシュタイン(Albert Einstein)らがフィーチャーされたポスターもある。

 ルピナさんは2017年に自宅をミュージアムに改造したが、手狭になったため別の場所を見つけ、今回、新たなミュージアムとして再出発した。金のかかる趣味であることを認めつつ、「私には貯金も年金もありません。あるのはコレクションだけです」と語った。(c)AFP/Bernard OSSER