【6月1日 AFP】イングランド・プレミアリーグ、リバプール(Liverpool FC)のトム・ワーナー(Tom Werner)会長は31日、欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2021-22)決勝で起きた混乱について、フランス政府が「大規模」なチケット詐欺が原因であると主張したことを受け、サポーターに対する扱いについて謝罪を要求した。

 情報筋によれば、今回の要求は30日に行われた仏スポーツ省の危機対策会議で、欧州サッカー連盟(UEFA)と同国サッカー連盟(FFF)が、リバプール対レアル・マドリード(Real Madrid)の決勝で読み取られた偽チケットの枚数は2800枚と推定したことを受けてのものだという。

 FFFはさらにこの日、偽チケットを所持しているかチケットを持たない3万5000人が決勝の会場であるスタッド・ド・フランス(Stade de France)に押し寄せたとする発表文を公開して加勢した。

 チケット完売となったフランス代表のホームゲームより25パーセント多い1650人の警備員とチケットスタッフをこの試合に配備したFFFは、11万人がスタジアムに足を運んだと述べた。

 スタジアム周辺には「偽チケットを所持しているかチケットを持たない3万5000人あまり」がおり、「午後9時に予定されていたキックオフ前にスタジアムのゲートをふさぎ、本物のチケットを保有する人の一部が入場できないようにして公共の混乱を招いた」とFFFは結論付けた。

 リバプールを保有するフェンウェイ・スポーツ・グループ(Fenway Sports GroupFSG)の一員であるワーナー氏は、リークされたフランスのアメリー・ウデア・カステラ(Amelie Oudea-Castera)スポーツ相に宛てた文書の中で、今回の混乱に関する同スポーツ相の発言について「完全な不信感」が残ったと述べた。

 ウデア・カステラ氏は当初、騒動を引き起こす要因になったとしてリバプールを非難。仏スポーツ省の危機対策会議の後、ジェラルド・ダルマナン(Gerald Darmanin)内相も騒動の原因はチケット詐欺とリバプールファンの振る舞いにあると反発した。

 英紙リバプール・エコー(Liverpool Echo)によってリークされた文書の中で、ワーナー氏は「私が本日手紙を書いているのは、フランス政府のある大臣が、適切かつ正式な独立した調査プロセスが行われる前に、非常に重要な問題について未確認である一連の表明ができたという完全な不信感からだ」と述べた。

 ウデア・カステラ氏は後に、リバプール側から文書を受け取っていないと明かしたものの、一部について謝罪した。

「試合を観戦することすらできず、午後を台無しにされた落ち度のないリバプールファンが確かにいた」と話した同スポーツ相は、「その点についてその方々に謝らないといけないのは明らか」と続けた。(c)AFP