【6月4日 AFP】銃を簡単に売買することができ、所持に関する法律も州ごとに異なる米国。今年に入ってわずか5か月で銃による死者が1万7000人を超え、このうち650人は子どもだった。

 銃販売に関する規制強化を推進する団体や調査機関がまとめた統計によると、米国での銃暴力による犠牲者の数が驚くべき数字となっている。

■1日当たり111人の死者

 銃規制強化を訴える団体「エブリタウン・フォー・ガン・セーフティー(Everytown For Gun Safety)」によると、銃による米国の死者は毎年平均4万1000人近くに上る。1日当たり111人が亡くなっている計算だ。

 しかも今回、小学校で乱射事件が起きたテキサス州では、個人への銃器販売の規制がほとんどなく、毎年3600人以上が銃によって死亡している。

 銃による暴力の統計を提供するサイト「ガン・バイオレンス・アーカイブ(Gun Violence Archive)」の集計では、今年に入ってから全米で少なくとも1万7199人が銃で死亡している。このうち約7600人が殺人または過失致死による犠牲者で、9500人以上が自殺だった。また銃による負傷者は、この半年間で約1万4000人に上っている。

 昨年の銃による全米の死者は、2万920件の殺人を含む4万5000人以上で、2017年以降最多だった。

■銃の犠牲になる子どもたち

 米国では、子どもたちも銃の暴力から免れない。

 5月24日にテキサス州ユバルディ(Uvalde)の小学校で児童19人と教員2人が殺害された乱射事件のように直接標的にされるだけでなく、子どもが流れ弾や誤射の犠牲になる可能性もある。

 今年5月末までの未成年者の犠牲は、死者約640人、負傷者はその倍以上の1594人となっている。このうち11歳以下は、死者140人、負傷者約300人だった。

 昨年の銃による子どもの死者は1560人で、負傷者は4000人を超えた。