■年間692件で4人以上死傷

 ガン・バイオレンス・アーカイブによると、今年1月から5月下旬までに米国内で確認された「銃による大量殺傷事件」は213件に上っている。同団体は「銃による大量殺傷事件」について、犯人を除く4人以上が殺傷された事件と定義している。

 2012年にはコネティカット州ニュータウン(Newtown)のサンディフック小学校(Sandy Hook Elementary School)の銃乱射事件で、児童20人と教職員6人が死亡し、学校での銃乱射事件としては米国史上最悪の惨事となった。

 昨年発生した銃による大量殺傷事件は692件で、ガン・バイオレンス・アーカイブが集計を始めた2014年以降最多となった。

■銃を使用した殺人が急増

 米国の保健当局がまとめた統計によると、2020年に銃を使用した殺人は前年比35%増の1万9350件と最多を更新。自殺は前年比1.5%増の2万4245件に上った。

 米疾病対策センター(CDC)が今年5月に発表した報告書によると、2020年の銃による殺人の発生率は10万人当たり6.1人に上り、1980年代のピーク時以来、25年ぶりの高水準となった。

 当局は、殺人事件が急増した推定要因として、貧困問題や新型コロナウイルスの流行を挙げている。

■一般市民が3億9330万丁

 米国では憲法修正第2条で武器を保有する権利が保障されており、近年は市民が所有するピストル(拳銃)やリボルバー(回転式拳銃)など銃の数も増えている。

 小火器・弾薬市場の調査会社スモール・アームズ・アナリティクス・アンド・フォーキャスティング(Small Arms Analytics & Forecasting)のデータによると、2020年に米国で販売された銃は過去最多の2300万丁以上で、昨年も2000万丁近くが売れた。

 また調査機関スモール・アームズ・サーベイ(Small Arms Survey)によると、2020年に全米で一般市民が所持していた銃は3億9330万丁。つまり、100人当たり約120丁の銃が出回っていた計算になる。

 さらにネット上で部品ごとに購入されたり、3Dプリンターで作られたりした「ゴーストガン(幽霊銃)」も急増している。ゴーストガンには製造番号がないため追跡が難しく、こうした統計には含まれていない。

 米調査機関ピュー・リサーチ・センター(Pew Research Center)の調査によると、2021年6月の時点で米国の成人の約30%が、1丁以上の銃を所有していると答えた。(c)AFP