【5月31日 AFP】エジプト・サッカラ(Saqqara)遺跡で30日、古代エジプトのひつぎ250基と小像150体が公開された。古代エジプトの建築家・医者のイムホテプ(Imhotep)の像も含まれている。

 エジプト考古最高評議会(Egyptian Supreme Council of Antiquities)のムスタファ・ワジリ(Mostafa al-Waziri)事務局長によると、ひつぎは紀元前5世紀ごろのもので、中にはミイラが残っている。

 ひつぎの一つからは、長さ推定9メートルの未開封のパピルス1点も発見された。死後の世界を表した呪文などをまとめた「死者の書(Book of the Dead)」とみられる。修復・研究のため、首都カイロ中心部にあるエジプト考古学博物館(Egyptian Museum)の研究室に移送されたという。

 ひつぎはカイロ近郊ギザ(Giza)のピラミッド近くの大エジプト博物館(Grand Egyptian Museum)へ運ばれる。同館は開館が遅れていたが、年内にはオープンの予定。

 小像は、さまざまな神や女神をかたどっている。

 そのうちの一つのモデルとなったイムホテプは、紀元前3世紀に活躍。革新的な建築家で、古代エジプト最初期のジョセル(Djoser)王の階段ピラミッドを設計した。後に神格化され、医術の神となった。

 ワジリ氏は「イムホテプの墓の発見」が自身の発掘プロジェクトの最終目標だと語った。(c)AFP