【6月2日 People’s Daily】「2021年、中国一定規模以上の工業付加価値額は9.6%増となり、2020年より6.8ポイント増加し、2年間の平均成長率は6.1%だった」と、2月28日に開かれた記者会見で、工業・情報化相の蕭亜慶(Xiao Yaqing)氏は述べた。

「中国の産業経済の発展は回復を続けている。2021年、製造業の付加価値額は9.8%増となり、2年間の平均成長率は6.6%だった。製造業の付加価値額がGDPに占める割合は27.4%に達した。その規模は31兆4000億元(約601兆円)に達し、12年連続で世界1位となっている」と、蕭氏は紹介した。

 産業チェーン・サプライチェーンの強靱(きょうじん)性が向上した。産業チェーン・サプライチェーンの詰まりとなっている制約の除去に注力し、主要産業チェーンの安全と安定を維持し、太陽光発電、風力発電、船舶などの産業チェーンの国際競争の優位性はさらに高まった。一定規模以上の工業企業の年間輸出引き渡し額は17.7%増加し、ここ数年で比較的高い水準に達している。

 産業構造の改善、高度化がさらに進んだ。ハイテク製造業、装備製造業(産業のために生産技術や設備、機械を提供する工業の総称)のけん引効果が強まり、付加価値額はそれぞれ18.2%、12.9%増加した。製造業のデジタル化・グリーン化モデル転換のペースが加速し、クラスター開発が新たな進展を遂げた。重点分野の一定規模以上の工業企業の重要工程の数値制御化率、デジタル化研究開発設計ツールの普及率はそれぞれ55.3%、74.7%に達した。

 重点分野におけるイノベーションと発展は、新たな成果を得た。有人宇宙船「神舟12号(Shenzhou-12)」「神舟13号(Shenzhou-13)」は相次いで打ち上げに成功した。新型ディスプレー、産業機械、新素材などの分野で難題に取り組み、段階的な効果を収めた。

 情報通信産業の質の高い発展は新たな進展を遂げた。新型情報インフラの建設が強化され、計142万5000以上の5G基地局が完成・開通し、5億2000万世帯の5Gスマートフォン端末が接続された。5G応用が産業、エネルギー、交通などの分野で加速・深化し、各業界で著しい効果を収めた。

 工業・情報化省のチーフエンジニア兼報道官の田玉竜(Tian Yulong)氏は、中国製造業のデジタルトランスフォーメーション(DX)は、加速度的な発展を見せ、イノベーション活動も活況を呈していると述べた。また、産業インターネット革新発展プロジェクトの実施により、150以上の大型産業インターネットプラットフォームが育成され、プラットフォームがサービスを提供する工業企業数は160万社を超えた。新世代の情報技術の製造業への統合・浸透が加速し、融合イノベーションとクロスイノベーションが絶えず深化している。「5G+産業インターネット」の建設中のプロジェクトは、全国ですでに2000件を超えている。デジタル化の新業態、新モデルも絶えず発展・革新し、ネットワーク型コラボレーション、サービス型製造を行う企業の割合は、それぞれ38.8%と29.6%に達しているという。

 田氏によると、中国は世界最大かつ最も急速に成長している集積回路(IC)市場であり、世界の企業の発展のために広大な市場機会を提供している。また、中国は集積回路の重要な生産国・供給者でもあり、世界のIC産業に貢献してきた。中国は引き続き、世界のIC産業の中国での投資拡大や、さまざまな形の協力、世界のIC産業チェーンとサプライチェーンの安定化に共同して貢献を進めるという。

「これまでのところ、中国の産業経済は全体的に安定している。特に、産業経済成長のための各種の政策措置の徹底的な実施により、産業経済の活性化には段階的な効果を得ている」と、蕭氏は述べた。(c)People’s Daily/AFPBB News