【5月31日 AFP】国際原子力機関(IAEA)は30日、イランの濃縮ウラン貯蔵量について、2015年の核合意で定められた上限の18倍以上に増加しているとの推計を公表した。

 イランの核開発に関するIAEAの最新報告書によると、濃縮ウラン貯蔵量は今月15日時点で推計3809.3キロとなった。核合意では、上限は202.8キロに設定されている。

 核合意ではウラン濃縮度に関しては、上限は3.67%と定められている。しかし、報告書は、イランはこの規定を逸脱して濃縮活動を続けていると指摘している。

 現在、濃縮度20%のウランの貯蔵量は推定238.4キロで、前回3月の報告時から56.3キロ増加。濃縮度60%のウランも9.9キロ増の43.1キロとなっている。

 核兵器への転用が可能な濃縮度は90%前後とされる。

 外交筋によると、濃縮度60%のウランの貯蔵量は、IAEAが「核爆弾製造の可能性を排除し得ない」おおよその量と定義する「有意量」を超えている。

 IAEAは30日付の別の報告書で、イラン国内の3か所の施設で検知された未申告の核物質について、依然として疑問は「解消されていない」としている。(c)AFP