【5月31日 AFP】米国のジョー・バイデン(Joe Biden)大統領は30日、ロシア領土内を攻撃可能なロケットシステムをウクライナに提供する意向はないと言明した。

【図解】ウクライナとロシアの主な兵器

 2月末からロシアの侵攻を受けているウクライナは、米国から大規模な軍事支援を受けてきたが、ロシア軍が使用する長距離ロケットシステムと同性能の武器が必要だとし、米国に対しM270多連装ロケットシステム(MLRS)とM142高機動ロケット砲システム(HIMARS)の提供を要請している。

 両システムは自走式で、複数のロケットを同時に発射可能。射程は最大300キロと、戦場で使用されている大砲の8倍以上に達する。ウクライナ軍が入手すれば、戦線から遠く後方に離れた標的を正確に攻撃できるようになるが、それが同国軍の狙いであるかは不明だ。

 ウクライナのミハイロ・ポドリャク(Mykhailo Podolyak)大統領府顧問は28日、ツイッター(Twitter)への投稿で「西側諸国が本当にウクライナの勝利を望んでいるなら、長距離MLRSを提供するべきではないか?」と訴えていた。

 だがバイデン氏は首都ワシントンで記者団に対し、「ウクライナにはロシア領土内を攻撃できるロケットシステムは提供しない」と明言した。(c)AFP