【5月30日 AFP】ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は29日、ロシアの侵攻開始以来、初めて首都キーウ周辺を離れ、東部地域を訪問した。

 大統領府はメッセージアプリのテレグラム(Telegram)に、防弾チョッキを着たゼレンスキー氏がハルキウ(Kharkiv)州を訪れ、破壊された建物を視察する場面を撮った動画を投稿している。

 ロシア軍はキーウとハルキウ州の州都ハルキウの制圧に失敗。現在は東部ドンバス(Donbas)地方で攻勢を強めている。

 ハルキウ州も3分の1はロシアの支配下に置かれている。しかし、ゼレンスキー氏は29日に公開された動画で「われわれは必ず全域を解放する」と強調。「(ロシア軍の)攻勢を阻止するためあらゆる手段を講じている」と述べた。

 ゼレンスキー氏はハルキウで、地元当局者と復興計画について協議。ロシア軍に破壊された地域を「一新する」チャンスがあると語った。

 地元当局によると、ロシア軍の砲撃で全・半壊した共同住宅は2000棟以上に上る。

 一方、ゼレンスキー氏は現地での演説で、ハルキウ州の治安機関責任者を解任したことを明らかにした。理由としては「侵攻が本格化した当初からハルキウ防衛のために働かず、自分のことしか考えていなかった」ことを挙げた。

 国内メディアによれば、解任されたのはウクライナ保安庁(SBU)のハルキウ州トップとみられている。

 映像はウクライナ大統領府が29日撮影・提供。(c)AFP/ Patrick FORT