【6月1日 People’s Daily】北斗衛星測位システム(BDS)のグローバルネットワーキング、月探査プロジェクトの「三段階」計画の無事な終了、今年の中国による宇宙ステーションの全面的な完成、有人宇宙飛行の「三段階」計画の遂行など、中国の複数の長期重要宇宙計画が収穫期を迎えている。

 中国の宇宙事業は現在、宇宙のより遠く、より深いところに向かって絶え間なく進もうとしている。少し前に発表された第5部中国宇宙白書「2021中国の宇宙飛行」は、中国宇宙事業のここ数年の実り多い成果を記した上、今後5年さらなる長期的な発展計画を明記し、きらきら輝く星空への人々の無限の憧れに火をつけた。白書によると、中国は一貫して宇宙事業の発展を、国全体の発展戦略の重要な構成部分とし、平和目的による宇宙空間の探索・利用を一貫して堅持しているという。

 白書は、2016年以降、中国の宇宙飛行は革新的発展の「急成長」段階に入り、宇宙インフラ建設の着実な推進、北斗衛星測位システムの完成・開通、高解像度地球観測システムの基本的な完成、衛星通信放送サービス能力の着実な強化、月探査プロジェクト「三段階」計画の無事な終了、中国宇宙ステーション建設の全面的な開始、火星探査機「天問1号(Tianwen-1)」の地球ー月システムから惑星間探査までの飛躍など、世界が注目する輝かしい成果を収めたことを挙げている。

 中国国家航天局(CNSA)の呉艶華(Wu Yanhua)副局長は次のように述べた。中国の宇宙飛行は国際的なパートナーと共に、国連の持続可能な開発目標(SDGs)達成のため、宇宙技術による持続可能な開発を共に推進し、約50件の協力協定または了解覚書を新たに締結した。中国とロシアは国際月科学研究ステーション計画を共同で立ち上げ、有人宇宙飛行、月探査プロジェクト、火星探査などの任務において広範な国際協力を行い、BRICSリモートセンシング衛星コンステレーション協定に署名し、中仏海洋衛星と中伊電磁衛星の打ち上げに成功し、北斗の民間航空や海事など複数の国際機関の標準システムへの進出を促進した。高分1号(GF-1)・6号(GF-6)衛星のデータは、クラウドプラットフォームを通じて全世界に無料配信され、158の国と地域の約55万人のユーザーがアクセスした。中国の5つの衛星と3つの衛星コンステレーションが、国際災害チャーター(CHARTER)体制に新たに加わり、気象衛星データは121の国と地域で活用されている。施設建設、人材育成、データ活用などさまざまな方式を通じて、大多数の発展途上国の宇宙能力開発を支援し、中国の宇宙開発の成果を共有しているという。

 中国国家航天局月探査・宇宙工学センターの劉継忠(Liu Jizhong)主任は次のように紹介した。中国の月探査プロジェクトは、2004年の実施から、2020年「嫦娥5号(Chang’e-5)」によるサンプルリターンまで、同プロジェクトの第1、2、3期の「周回、着陸、帰還」という目標任務を円満に達成した。月探査プロジェクト4期の任務を通じて、中国は科学研究ステーションの基本型を建設するという目標の基本的達成の必要があり、これは、同時に今後の中国と世界による国際月科学研究ステーションの共同建設のための基礎構築にもつながるものだという。

 宇宙空間の平和的探索と利用は、全人類共通の夢であり、ますます多くの国が宇宙事業を高度に重視し、大いに発展させ、人類社会の発展に重要かつ広範囲な影響を及ぼしている。中国の宇宙飛行は、中国の知恵により新たな宇宙伝説を記し続けていく。(c)People’s Daily/AFPBB News