【5月30日 People’s Daily】2月16日午前、上海洋山港(Yangshan)4期自動化埠頭(ふとう)で、米国からのコンテナ船の積み下ろしが行われていた。無人搬送車が往復し、貨物を満載したコンテナをヤードの指定場所まで運んでいく。

 洋山港の規模は小さいが、エネルギーが大きい。2021年、上海港のコンテナ取扱貨物量は4703万3000TEU(1TEU は20フィートコンテナ1個分に相当)に達し、12年連続で世界一となり、そのうち洋山港は2281万3000TEUを占めた。上海港には300以上の国際航路があり、そのうち洋山港からの航路は80以上あり、主に遠洋航路だ。洋山港は、国際海運のハブ港として発展してきた。

 中国の対外開放の鏡ともいえる洋山港は、中国の対外開放の確かな歩みを見届けてきた。

 1990年代に入ると、中国の開放プロセスが加速し、対外貿易が急拡大した。当時、上海の港湾は長江河口の南岸と黄浦江沿いに集中しており、大型重量物船の荷役に対応できるディープウオーターバースはなかった。1995年には上海の深水港建設が議題に上った。2001年12月には中国がWTOに加盟した。2002年には洋山港が着工し、2005年末には東海大橋と洋山港1期工事が完了・開港した。

 洋山港のおかげで、上海港の年間コンテナ取扱貨物量はまもなく世界一になった。「一帯一路(Belt and Road)」や自由貿易試験区(FTZ)の建設、長江経済ベルトの開発などの主要な国家戦略の実施に伴い、洋山港の取扱貨物量は年々過去最高を記録し、国際積み換えと水上積み換えの割合が増え続け、国際ハブ港としての地位が徐々に確立されてきた。

 2017年12月10日、洋山港4期工事がお披露目となった。この「無人埠頭」と呼ばれる世界最大規模単体の自動化埠頭は、24時間連続操業が可能だという。

 2021年、全世界で猛威を振るう新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)が国際海運業界に与える影響は、依然として甚大だった。洋山港は困難に向かって突き進み、取扱貨物量が前年比12.8%増となり、上海港の8.1%増の基礎となった。

 国際海運秩序が衝撃を受け、主要な国際港湾が停滞または全般的に混雑する中、洋山港は中国の感染拡大制御の優れた成果の恩恵を受け、年中無休の作業状態を維持し、世界の貨物輸送の重要な集散地となっている。

「上海港の国際航路は通常、月1200便がある。他の国際港の運営が滞っているため、幹線の定期船の運航も滞ってしまう。そのため、われわれは事前に予測・分析を行い、慎重に配船し、秩序ある船着と荷役を実現した」と、上海国際港務(集団)グループ(SIPG、上港グループ)生産業務部の楊焱濱(Yang Yanbin)副社長は述べた。

 この1年、多くの定期船会社は、次々と従来の国際航路を変更し、洋山港を積み替え基地として利用するようになった。

 このため、上海港は港湾の情報化・スマート化の構築を加速させている。上港グループは、積極的に仮想現実(VR)やデジタルツインなどの新技術や手段を利用し、上海港の「聯合応急調整スマートセンター」と「スマート港生産スマートデジタルプラットフォーム」の建設の推進により、埠頭生産のより高いグレード・レベルのリアルタイム動態管理を形成すると同時に、海洋気象や潮などのデータとのつなぎを実現した。(c)People’s Daily/AFPBB News