【5月28日 AFP】ドイツのオラフ・ショルツ(Olaf Scholz)首相は27日、中国がアフリカを中心とする貧困国で盛んに行ってきた融資は「深刻な危険」をもたらし、新たな世界金融危機を引き起こしかねないと警告した。

 ショルツ氏は南西部シュツットガルト(Stuttgart)で開催された「カトリック・デー(Catholic Day)」のパネルディスカッションに出席。

「グローバル・サウス(南半球を中心とする途上国)で次に起きる大規模な債務危機は、中国が世界中で行ってきた融資が引き金になるだろう。当事国があまりに多いために全体像が見えず極めて危険だ」と主張し、「そうした事態になれば、中国もグローバル・サウスも大規模な経済・金融危機に陥り、それ以外の地域も影響を免れない。だからこそ、懸念すべき問題だ」と述べた。

 パネリストの一人は、中国がアフリカに融資して道路や大学を建設させて影響力を強めるのを、欧州は傍観してきたと指摘した。

 中国が貧困国に巨額の融資を行い、債務のわなを仕掛けているという批判は以前から根強いが、中国政府は、融資は貧困緩和を図るためのものだと反論している。(c)AFP