【5月28日 AFP】ウクライナに侵攻したロシア軍は27日、東部ルガンスク(Lugansk)州の要衝セベロドネツク(Severodonetsk)に対する攻勢を強めた。同州を含む東部ドンバス(Donbas)地方の制圧を目指すロシア軍は、住宅地を爆撃するなどして猛攻を継続。同日には現地の親ロシア派武装勢力が、要衝の町を掌握したと主張した。

 ロシア軍は現在、ルガンスク州のセベロドネツクとリシチャンスク(Lysychansk)の2都市に向け進軍している。両市は、ウクライナ政府が東部の行政機関を置くドネツク(Donetsk)州クラマトルスク(Kramatorsk)に通じる重要なルート上に位置する。

 国営ロシア通信(RIA)は、ルガンスク警察関係者の話として、セベロドネツクは包囲されており、ウクライナ部隊は市外に出ることができなくなっていると報じた。だがセベロドネツク市当局の幹部は、この報道を否定。一方で、同市は爆撃が絶え間なく続き「非常に困難」な状況にあると説明した。

 親ロ派勢力は同日、セベロドネツクとクラマトルスクの間に位置するリマン(Lyman)を制圧したと発表。ルガンスク州のセルヒー・ハイダイ(Sergiy Gaiday)知事はメッセージアプリのテレグラム(Telegram)に投稿した動画で、過去24時間に同州で少なくとも民間人5人が死亡したと述べた。

 26日には北東部にある同国第2の都市ハルキウ(Kharkiv)で砲撃があり、少なくとも9人が死亡。ロシア軍は一度、同市周辺から撤退していたが、今も同市の制圧をあきらめていないとの懸念が高まっている。

 さらに27日には、前線から遠く離れた中部ドニプロ(Dnipro)も攻撃を受けた。国家警備隊の地元支部幹部によると、軍事施設にロシア軍のミサイル攻撃があり、10人前後が死亡した。(c)AFP/Dmitry Zaks with Patrick Fort in Kharkiv