【5月27日 People’s Daily】現在、農村におけるEコマースが中国で急速な発展を遂げており、多くの村で農産物流通新プラットフォームが設置され、農民の収入増への道が開拓され、潜在能力を活性化している。より多くの消費者の注目を集めるか、物流を早く、実益型にすることが焦点となっている。

 五常米は人気のブランド米である。しかし、黒竜江省(Heilongjiang)五常市(Wuchang)の農村に住む于殿紅(Yu Dianhong)さんが数年前からインターネットで自家製米の販売を始めた時は、何かと面倒が多かった。少なからぬ消費者が「あなたの米が五常米だとどう証明するんですか?」と問い合わせてきたという。

 転機は突然訪れた。2015年、五常市は五常米のオンライン販売プラットフォームを整え、ブランド米表示やオンライン販売委託、トレーサビリティーで偽物を防ぐシステムをつくった。

「基準に達してはじめて、加工トレーサビリティーシステムに加入でき、偽物防止表示とQRコードを使用できるのです」と、于殿紅さんは言う。「ネット上で検索すれば、私が五常の人間ということはすぐ分かります。QRコードをスキャンすれば、どの村の誰の畑で取れたか、どの品種か、また検査報告など一目瞭然です」

 ブランド化は農村をEコマースに乗せる近道であり、地域ブランドの確立は絶え間なく推し進められている。

 また、新鮮な野菜など季節性が強く保存期間が短いものに関しては、物流の最初のプロセスが決め手になる。湖北省(Hubei)秭帰県(Zigui)の山間部にあるオレンジ農園では、新鮮なままオレンジを「下山させる」取り組みがなされている。

 軽くスイッチに触れると、道路脇から電動レール運搬車がゆっくりと坂を下りて果樹園に来た。運搬車が着くと作業員が収穫したオレンジを1箱ずつ積み込み、再度スイッチを入れると、数分以内に500キロのオレンジを載せた運搬車が山を登っていった。「私たちは年間25万キロのオレンジを生産しています。運搬費用は半分以下になり、3万5000元(約66万円)も節約になりました」と、オレンジ農園の関係責任者である劉国華(Liu Guohua)さんは語る。

 このオレンジ農園は山間の急な斜面にあり、耕作には適さないが、オレンジの生育には向いていた。以前は交通設備が遅れていたためにオレンジを背負って降りるしかなかったが、今は便利になったという。

 2019年、同地ではパワーユニットの電気化に伴って送電網が敷かれ、山の斜面にある果樹園と道路の間には総長250メートルの運搬車用レールが2本建設された。「人がオレンジを背負って1往復するには20分かかりますが、今はたったの4分前後でオレンジを道路脇まで運べるのです」と、劉国華さんは言う。

 秭帰県では、このようなレール運搬車が588設置され、総長は11万9300メートルにおよぶ。

 オレンジは山から下ろされた後、すぐに村から運び出される。地元運送会社、Eコマース企業、村の総合運輸サービスステーションなどが結集し、村単位の物流サービスシステムを構築した。シ帰県のオレンジ産業は栽培・販売ともに順調だという。(c)People’s Daily/AFPBB News