■雪の中で立ち往生?

 今年1月、米バージニア州で吹雪によって数百台の車が立ち往生した際、フェイスブックには、EVのバッテリーが切れると交通渋滞がさらに悪化すると警告する投稿が相次いだ。

「凍えるような寒さの中で、車内の暖房も利かずに身動きが取れなくなるだろう」といったものや、充電ステーションからも遠いので、動けなくなったEV車が「ガソリン車の移動の妨げとなる」といった内容だ。

 この主張について複数の検証機関が精査したが、EVの方がガソリン車より悪天候に弱いという結論には至らなかった。

 米国化学会(American Chemical Society)が2015年に発表した研究などによると、EVは寒冷地での走行時、エネルギー消費効率が落ちることが分かっている。しかし、嵐に巻き込まれて立ち往生した場合、暖房のためにエンジンをかけ続けなければならないガソリン車よりも、EVのエネルギー消費量は少ないとさまざまな専門家が述べている。

 英国の消費者問題誌「Which?」は多目的スポーツ車(SUV)タイプのEVで、ラジオ、エアコン、シートヒーター、ヘッドライトをつけ、タブレット端末を接続して映画を再生し、渋滞を夏の条件下でシミュレーションするテストを行った。すると、1時間強でのバッテリー消費量はわずか2%、走行距離にして約12キロ分にすぎなかった。(c)AFP/Roland Lloyd Parry with AFP bureaus