【5月25日 AFP】全仏オープンテニス(French Open 2022)は24日、男子シングルス1回戦が行われ、ワイルドカード(主催者推薦)のジョーウィルフリード・ツォンガ(Jo-Wilfried Tsonga、フランス)は7-6(8-6)、6-7(4-7)、2-6、6-7(0-7)で第8シードのキャスパー・ルード(Casper Ruud、ノルウェー)に敗れ、「これ以上の筋書きは求められない」と話し、コートに涙の別れを告げた。

 元世界ランキング5位で、全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament)準優勝の経験もあるツォンガは、全仏オープン限りでの現役引退を先月発表していた。試合後には「きょうは本当にとんでもなかった。キャリアで味わった中でも最高レベルの雰囲気で、それが自分の最後の試合になった」と話し、「これ以上は望めないし、これ以上の筋書きは求められない。勝てる可能性があったことを別にすればね」と続けた。

 インターバルにはブラスバンドがフランス国歌を奏でる中、ツォンガは第1セットを獲得してセンターコートの観客を沸かせたが、その後は前週のジュネーブ・オープン(Gonet Geneva Open 2022)で優勝しているルードに2セットを連取された。

 第4セットはゲームカウント6-5とリードしてサービスゲームを迎えたがここを取りきれず、タイブレークの前にはメディカルタイムアウトを取って右肩の治療を受けた。しかし、明らかに苦しそうな様子のツォンガは、ルードに一方的に押されると、最後は涙をこらえながら18年のキャリアに幕を下ろした。

 試合後には、現役時代のハイライトをまとめた映像が会場に流れ、引退セレモニーには家族と友人、選手仲間が駆けつけた。アンディ・マレー(Andy Murray、英国)やノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)、ラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)、ロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)という、ツォンガが四大大会(グランドスラム)で破ってきた選手たちもねぎらいの動画メッセージを寄せた。

 ツォンガは「本当に楽しかった。最後は僕が泣くところをようやく見られて、みんなもすごく満足だろう」と話し、「思い出に残る瞬間になった」とコメントした。(c)AFP