【5月25日 AFP】全仏オープンテニス(French Open 2022)は24日、男子シングルス1回戦が行われ、大会第2シードのダニール・メドベージェフ(Daniil Medvedev)は、6-2、6-2、6-2のストレートでファクンド・バグニス(Facundo Bagnis、アルゼンチン)を下した。試合後には、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2022)に出場できないにもかかわらず世界ランキング1位に返り咲く可能性が高いことについて、「とても奇妙」だと話した。

 ウィンブルドンでは、主催者がウクライナ侵攻を理由に、メドベージェフを含めたロシアの選手、またベラルーシの選手の出場を禁止。これを受け男子プロテニス協会(ATP)と女子テニス協会(WTA)は先週、ウィンブルドンで世界ランキングのポイントを与えないことを決定した。

 現在、世界ランク1位のジョコビッチを2位のメドベージェフが680ポイント差で追っているが、昨年のウィンブルドンで優勝しているジョコビッチは2000ポイントを失うため、同大会で16強だったメドベージェフが再び1位に立つ可能性が高い。ジョコビッチは出場できなかった全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament 2022)でもすでに2000ポイントを失っている。

 これについて、メドベージェフは「とても奇妙だ」と認め、「ポイントがないので自分がナンバーワンになる。僕にとっては素晴らしいことだ。仮にポイントがあれば、1位になれない可能性があり、そのときはひどく打ちのめされていただろう」と話すと、「そういうことだ。自分にはATPとウィンブルドン、両方の判断を変更する権利はない」と続けた。

「正直に言えば、前にも言った通り、ウィンブルドンでは本当にプレーしたかった。芝でのプレーが大好きなんだ。全仏の後には、芝の大会に出るつもりだ。だけどそれが無理なら、別の大会に向けて準備し、状況に従うだけだ」

 この日のメドベージェフは、ウイナー35本を決め、相手のサービスゲームを8回ブレークした。バグニスは第2セットのサーブの際に激しく足を滑らせ、ふくらはぎをテーピングして固めなければならなかった。

 全仏オープンでは4年連続で1回戦負けを喫した後、昨年初めて準々決勝に進出したメドベージェフは、「ローラン・ギャロス(Roland Garros、全仏オープン)でのプレーはとても楽しい。昨年からは特にそうだ」と話し、「今年はもっと上へ行きたい」と意気込んだ。(c)AFP/Martyn WOOD