【5月25日 AFP】ロシアによるウクライナ侵攻開始から3か月となった24日、ロシアのセルゲイ・ショイグ(Sergei Shoigu)国防相は「全目標が達成されるまで特別軍事作戦を継続する」と述べ、長期戦を視野に入れていることを示唆した。ウクライナ東部では戦闘が激化しているが、その他の地域では人々の生活の一部が正常化する兆しも見えている。

 ウクライナは過去3か月で、西側諸国からの資金提供と武器供与により首都キーウなどの地域でロシアの進軍を食い止めてきた。ロシアは現在、ウクライナ東部の国境沿いにあり親ロシア派武装勢力の拠点となっているドンバス(Donbas)地方と、南部の沿岸地域の制圧に注力している。

 ウクライナのドミトロ・クレバ(Dmytro Kuleba)外相は「ドンバス地方におけるロシアの攻勢は冷酷な戦いであり、第2次世界大戦(World War II)以降、欧州の領土で起きた中では最大のものだ」と述べた。


 23日には同地方で激しい砲撃があったと伝えられ、ウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は「今後数週間の戦いは困難なものになるだろう」と警告。同地方の戦況は最も厳しく、大きな被害を受けた都市としてドネツク(Donetsk)州バフムート(Bakhmut)、ルガンスク(Lugansk)州のポパスナ(Popasna)とセベロドネツク(Severodonetsk)を挙げた。

 ルガンスク州のセルヒー・ハイダイ(Sergiy Gaiday)知事によると、ロシアは同州に数千人規模の部隊を送り込んでおり、セベロドネツクは大規模な攻撃を受けている。ハイダイ氏はメッセージアプリのテレグラム(Telegram)で、同市内に残っている推定1万5000人市民に対し、市外への避難の時機はすでに過ぎたとし、防空壕(ごう)にとどまるよう呼び掛けた。

 一方、ウクライナ第2の都市ハルキウ(Kharkiv)では24日、数か月にわたり防空壕として使用されてきた地下鉄の運行が再開し、市民は日常生活の一部を取り戻した。市内に30ある地下鉄駅のうち、今も散発的な砲撃を受ける地域にある3駅は引き続き閉鎖される。(c)AFP/Charlotte Plantive with Dmitry Zaks in Severodonetsk and Patrick Fort in Kharkiv