【5月24日 AFP】ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領の妻オレナ・ゼレンスカ(Olena Zelenska)氏は23日、世界保健機関(WHO)総会でビデオ演説し、ロシアによる侵攻が今後数十年にわたって健康や人々のメンタルヘルスに影響を及ぼす可能性があると警告した。

 オレナ夫人はスイス・ジュネーブで開かれた総会で「ロシアによる戦争は想像を絶する恐怖をもたらしている」と述べ、特にメンタルヘルス面への影響を指摘した。

「WHOは生命と健康に関し、最重要の人権を保護することをうたっている。現在、ウクライナではいずれも侵害されている」とし、「残念ながら戦争の影響は何年も、何十年も続くだろう」と語った。

 ウクライナと支援国は24日、ロシアの侵攻を強く非難する決議を総会に提出する。特に、ロシア軍が病院や救急車などを標的に200回以上、攻撃を実施したことに対する非難が盛り込まれる見込みだ。

 オレナ夫人は「ウクライナでは朝目を覚ますことができるのか、家にミサイルが飛んでこないのか、大人も小さな子どもも確信を持つことができない」と訴えた。

「医師も、救急車が爆撃されることなく患者の元へたどり着けるか分からないでいる」

 一方、ロシアのアレクサンドラ・ドロノワ(Alexandra Dronova)保健副大臣はテドロス・アダノム・ゲブレイェスス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)WHO事務局長に対し、「WHOを政治の場にしないよう」求めた。(c)AFP