【5月24日 AFP】米国のジョー・バイデン(Joe Biden)大統領が、中国が台湾に侵攻すれば米国は軍事的に関与すると明言したことを受け、ロイド・オースティン(Lloyd Austin)国防長官は23日、台湾問題に関する米国の「一つの中国」政策に変更はないと釈明した。

 来日中のバイデン氏は同日の記者会見で、台湾を守るために軍事的に関与するか問われ、「イエス」と回答。「われわれは『一つの中国』政策に同意している」としながら、「武力で(台湾を)奪取できるという考えは適切ではない。そうなれば地域全体に混乱を招く。ウクライナで起きたことと同じことが繰り返されることになる」と述べた。

 バイデン氏が米軍による台湾防衛の考えを示唆したのは、大統領就任後で2度目。米国は数十年にわたり、中国との対立を避けるため、台湾防衛に関しては曖昧な姿勢を維持してきた。台湾防衛を誓約すれば、大きな方針転換となる。

 ただ、オースティン氏は記者会見で「大統領が語ったように、われわれの『一つの中国』政策に変更はない」と強調。「大統領は『一つの中国』政策とともに、台湾海峡(Taiwan Strait)の平和と安定に対するわれわれの責務について改めて述べた」だけだと説明した。また「大統領は『台湾関係法(Taiwan Relations Act)』で定められている、台湾に対する自衛支援についても言及した」と付け加えた。(c)AFP