【5月23日 People’s Daily】中国雲南省(Yunnan)開遠市(Kaiyuan)の大口の花農家の張海備(Zhang Haibei)さんのフラワー温室には、新設した円筒形の「小さなシャンデリア」が地面や、天井に取り付けられている。張さんは手軽に一つを取り、「これらは電球ではなく、インテリジェント・センサーだ。私の温室もデジタル温室になった」と述べた。

 張さんの紹介によると、温室にインテリジェント・センサーを接続してから、スマホの「慧農管家」というミニアプリで、温室内の温度、湿度、土壌の肥沃度などをリアルタイムに監視することができるようになったという。「プラットフォームは正確な栽培プランを提供してくれるので、花に与えるべき水や光の量が明確になり、私が栽培した菊はCグレードからAグレードにアップし、収益も4割以上増えた!」と、張さんは述べた。

 張さんが言及した「プラットフォーム」とは、開遠市国家現代農業産業園が2021年5月に正式に稼働したデジタル花卉(かき)全産業チェーンプラットフォームのことで、園内の生花企業25社と試験栽培農家10世帯をカバーしている。「プラットフォームは、センサーによって温室環境をリアルタイムで監視し、正確な栽培プランを提供できる。この技術応用は、大規模生産企業の年間40万元近い人件費の削減が可能になる。また、このプラットフォームは、研究開発、販売、輸送、アフターサービスなどもカバーしており、花農家と企業に多方面にわたるサービスを提供できる」と、園内の技術スタッフの儲圓(Chu Yuan)さんは紹介した。

 近年、開遠市は「デジタル農村」試験プロジェクトを大々的に実施し、デジタル花卉栽培を精密栽培から産業チェーンの総合サービスにまで拡大している。2021年1月、開遠市国家現代農業産業園は、国家現代農業産業園の第三陣と認定された。

「デジタル監視により、各ロットの花は種苗の供給源、栽培管理プロセス、収穫後処理、包装、保存、輸送をトレースすることができる」。儲さんは、「問題のある花をいち早く検出し、全工程の配置が可能となり、カビの繁殖を抑え、生花の品質管理を強化できる」と述べた。

 上記のシーンの応用に加え、プラットフォームはアフターサービスの面でも効果を発揮している。アフターサービスのデジタル管理により、顧客からのクレームを生産工程でピンポイントに解決でき、これまで手作業に頼っていた生産管理の欠点を補った。

 現在、このプラットフォームでは、すでに産業園の約5年分の産業データが登録された。「総合的な分析の後、地域品種の栽培比率、産出時間、収量をよりタイムリーに調整し、柔軟な生産が可能になる」と、儲さんは述べた。また、最近あるバラが飛ぶように売れている。プラットフォームは、花の出荷時間差を計算し、市場の売れ行きを予測し、園内でまとまった生産を避けるよう、時期をずらして販売することで、企業や栽培農家の科学的な判断が可能になった例を挙げた。

「今後、デジタル農業は、他の分野の生産、研究開発、販売などでも拡大していき、産業のデジタル化が農村振興の『黄金の鍵』となるようにする」。将来について、開遠市農業農村局の馬超(Ma Chao)局長は期待を寄せている。(c)People’s Daily/AFPBB News