【5月23日 Xinhua News】中国地質大学武漢校は、同校地球科学学院の韓鳳禄(Hang Fenglu)副教授の率いる研究チームがこのほど、初期の角竜(角を持つサイのような恐竜)の歯の生え替わりを解明したと明らかにした。米ジョージ・ワシントン大学や中国科学院脊椎動物・古人類研究所、雲南大学、江蘇省南京古生物博物館の研究者らと共同で研究した。

 北米に生息していたトリケラトプスには最大800本余りの歯があった。生きている間は歯が生え替わり続け、周期も短くわずか3カ月ほどで生え替わった。一方、トリケラトプスの祖先には、このような複雑な歯の仕組みはなかった。

 研究チームは、初期の角竜にトリケラトプスとは全く異なる歯の特徴があったことを突き止めた。初期の角竜は歯の生え替わり回数が極めて少なかったが、これは後に出現したトリケラトプスよりも生え替わり周期が長かったことを示している。新しく生える歯の位置も、トリケラトプスが古い歯の下から生えたのに対し、初期の角竜は古い歯の内側から生えていた。

 初期の角竜とトリケラトプスとでは、なぜ歯の仕組みがこれほど大きく異なるのか。韓氏によると、初期の角竜が小柄な体型だったが、トリケラトプスは体長約9メートルにも及んだため、大型化により食べる量が増え、それに応じた歯が必要になったからだという。

 韓氏は「トリケラトプスの歯の形状は複雑で、口の中で食べ物を十分にかみ砕くことができた。初期の角竜の歯の形状は簡単で、植物をかみ切るという単純な機能しか持っていなかったと考えられる。機能の違いが両者の歯の仕組みの違いにつながった可能性がある」と説明。また、初期の角竜のインロンやプシッタコサウルスからは胃石が見つかったが、彼らは現代の鳥類のように胃の消化を助けるために小さな石を飲み込み、歯にかかる負担を軽くして歯がすり減るのを遅らせていた可能性が高いとの見方を示した。

 今回の研究成果は、生物学の国際学術誌「eLife」電子版に掲載された。 (c)Xinhua News/AFPBB News