【5月21日 AFP】ラトビアで20日、旧ソ連時代の第2次世界大戦(World War II)記念碑の撤去を求める大規模デモが行われた。記念碑は親ロシア派が集会を行う拠点となっている。

 デモ参加者は「ウクライナへの支援を」というメッセージや「私たちの領土、私たちの統治」と書かれたプラカードを掲げたり、ラトビアとウクライナの国旗を振ったりした。地元メディアによれば、約1万人が参加した。

 デモ主催者はAFPに対し、「圧政を記念するこのような記念碑は一種の公害だ」と話した。

 1985年に建てられた高さ79メートルの記念碑を破壊・撤去する費用は、クラウドファンディングでこれまでに25万ユーロ(約3400万円)以上集まっており、市議会も撤去を暫定的に承認している。

 エコノミストのマルティンシュ・クルスツ(Martins Krust)氏は「何十年かのうちにウクライナにおけるロシアの戦争犯罪を正当化するような人々が集まる場所に変わってしまった」と説明した。

 毎年5月9日には、ラトビア人口の30%を占める数千人のロシア系住民が旧ソ連の対独戦勝記念日を祝い、記念碑に集まっている。しかし大半のラトビア国民は、この日を1991年まで続いたソ連の占領が始まった日と見なしている。(c)AFP